電圧と電流のはなし

今回は電気を測る単位の「電流」と「電圧」ついて紹介します。
 「乾電池のはなし」ページを読んでくれた方は、すでに電圧という言葉は見ましたね。そこで電圧は「電気を流そうとする力」と表現していました。でもそれだけではイメージがしづらかった方もいるかと思います。今回の記事では例え話で電気というもののイメージをなんとなく掴んでもらうことが目的です。

 よく電気に関する本を読むと、電気を水に例えて説明しています。実際これはとてもいい例え方で、電気の色々な性質についてつじつまが合います。ですが、水に例えられてもピンと来ない方のために、あえて今回は違うものに例えてみます。これは少し無謀な試みで、あまりいい例えとは言えません。ですから、電気のあらゆる性質についてカバーできるものではないことを、先に断っておきます。

 今、あなたはゲレンデ(スキー場)にいるとします。まずリフトで山頂まで登ってきました。山頂まで来たあなたは次に何をしますか。滑りましょう。滑るだけなら歩くのに比べて、ずっと少ない体力で長距離を移動できますね。ゲレンデでは高いところから低い所に向かって滑ります。板をつけたまま逆に登るのは大変な苦痛です。つまり、基本的にはみんな決められたコースの上を同じ方向に進みます。

 さて、脳内ウィンタースポーツを堪能したところでもっと想像を膨らましてみましょう。
 まず、あなたの移動した標高差について考えてみましょう。リフトに乗って山頂まで行くことで、あなたは何ができるようになったでしょうか。滑ることができるようになりましたね。
 また、リフトで登った山の高さと、あなたが滑った高低差が大体同じになるのも、なんとなく想像できますね。ここでは「高さ」だけに注目し、「横」の移動距離は無視してください。
 人数はどうでしょうか。リフトを降りた人数とリフト乗り場まで滑ってきた人数。これは必ず同じになりますね。(どこかで誰かが遭難していなければ……。)

 そろそろ電気の話に置き換えていきましょう。
 まず、この話の主役であるスキーヤー・スノーボーダーさんが「電気」です。彼らを高いところへ運んだリフトが「電池」で、舞台であるゲレンデは「電子回路」です。ちなみにこの高さを「電位」と呼びます。つまり電子回路とは、電池で電位の高いところに運ばれた電気が、滑り下りていくループみたいなもの、とイメージできます。

 では電気を流そうとする力の「電圧」とは一体何でしょうか。
 リフトに乗る前のあなたとリフトを降りた後のあなた、その決定的な違いは高さですね。高さが違うと何ができるようになったでしょうか。滑ることができるようになりました。電気に置き換えてみましょう。電池で電位の高いところに送られた電気は、電位の低い所に流れることができるようになりました。これを「電圧がかかっている」と表現します。高い所にあるものには低い所へ向かう力が働いているのです。「電気を流そうとする力」という言葉の意味が少しでもイメージできたでしょうか。

 最後に、リフトに乗った人数についても考えましたね。実はこれが「電流」にあたります。リフトを降りた人数とリフト乗り場まで滑ってきた人数。これは全て同じでした。つまり、電子回路を流れる電流は同じです。回路が途中で分岐したときは、流れる電気は変わりますが、合計は同じです。

 いかがでしたか?「電圧」と「電流」について少しでもイメージできていたら幸いです。ここまで長々と書き連ねてきましたが、「電圧が力」で「電流が量」みたいな感覚が持てていれば、入門にはひとまずそれで十分です。最初にも書きましたが、今回はなんとなくイメージを掴んでもらうのが目的です。実際に電気が流れるとき物理現象として何が起きているのかについては、またいずれ紹介したいと考えています。最後に今回のポイントをまとめて終わります。

・電気は電位の高いところから低いところに流れる
・電位の高いところでは電圧がかかっている
・流れる電気の量が電流

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